たくさん書いた

ビジュアル的な制作が苦手である。ファッションもインテリアも、絵も映像も。
出来るのはせいぜい、理屈やら感情やらをわからない気になってぐるぐると自省と反発を繰り返すくらいのもんで。
わかった気になって後ろ指をさされるのが恐いから、予防線として「他人の考えなんかわかんないよ」と嘯いているわけです。

そんなあたりから今回の謎解き制作ではキャラクター(はもともと素晴らしいものがあって)、ハウジング、フライヤーあたりのビジュアル面はぜーんぶアリマさんにお願いしました。
僕がやったのはアリマさん原作のキャラクターたちのことを目茶苦茶考えて、お話の大筋を整えて、遊べるように謎をくっつけること。

二次創作のえげつなさに初めて触れました。上記の通り日頃から「他人の考えなんか〜」と逃げている僕としては、人様のキャラクターを書くなんてとんでもないことです。キャラクター性について具体的な正解は無いのに創造主の中にぼんやりとした正解エリアはあるので、そこに着地するには創造主への理解を深める必要があるからです。

他人と腹を割って話すなんて難しくて、恥ずかしくて、痛いことです。何が好きで何が嫌いで、何を理解できて何を理解できないか。相談という形で自分の考えを、趣味を、悩みを、聞いてもらう。そういう人間関係を久しぶりにちゃんと頑張ったと思います。そうでないと、とても人様のキャラクターなんてお預かりできないから。

結局のところ、最終的にはすっげーーーーーー量の赤ペンを入れてもらいました。だから僕がやったことって本当に少なくて、そしてそれで良かった、良い関係を築けたなと思っています。言いにくいことも言ってもらえる、ちゃんと監修を入れてもらえる、そういう信頼を得られたのだと解釈しています。ありがたいなと思っています。

人生とは(みたいなことを言うのは見る方もきついとは思いますが言います)、自分に足りていない要素を集めていく時間なんじゃないかと、最近は考えています。
人として社会に属していたいのなら、少なからず社会への貢献を果たすべきだから。他人の良さみたいなものを受け取り、活かすほうが共同体としての意味がある。
まず本人は誤解なく受け取ってくれるだろうからあえて言うのだけれど、僕にとって、大きな意味のある時間でした。

みたいな結論にこの僕が、忖度も義理もろくに果たさない僕が、至ったのです。この物語を作ることで……
1時間くらいで遊べるから、ぜひご来店くださいね。

また明日。

そしてこういう恥ずかしいことをわざわざ書くのは、これを面白がる人とまた出会うためなのだ。
砂の山に砂金を求めて。