つきのものがたり

しんしんとゆきがふりつもるよぞら。

うみはつきのだいざをたたえる。

 

「フレブルーナ、ほんとうにうみをわたるの」

──わたしはうみをわたる

 

「フレブルーナ、きみをまもるものはむこうにいないかもしれないよ」

──それでもわたしはせかいをみたい

 

「フレブルーナ、ぼくじゃとめられないのかな」

──すすむときめたのはわたし

 

「フレブルーナ

──ランドリング

 

「フレブルーナ、さようなら」

 

 

ランドリングはつきのだいざにわをおいた。

せなかにひのひかりをうけてフレブルーナはこぎだす。

たいようにおいこされないようにすすむ。

 

ランドリングはこがれるほうをめざす。